うらそえようどれ

お墓(はか)と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?「こわい」と、思う人もいるでしょう。「ゆうれいに会ったら、どうしよう」と、考える人もいるでしょう。けれども、沖縄(おきなわ)にある「うらそえようどれ」と呼ばれるお墓は、こわくありません。むしろ、どこかなつかしく感じられ、昔、亡くなったおじいさんやおばあさんに再び会ったような気持ちになります。 

 

「うらそえようどれ」は、「うらそえじょう」と呼ばれるお城の中にあります。13世紀(せいき)に英祖王(えいそおう)という王様が作ったものだと言われています。17世紀になって、尚寧王(しょうねいおう)という王様が改修(かいしゅう)し、自分のお墓にしました。人気のある場所ですが、私が行ったときは、とてもすいて、見学者は私たち家族だけでした。青い空の下、静かでおだやかな時間を感じることができました。「ようどれ」とは、沖縄の言葉で、「夕なぎ(ゆうなぎ)」を意味しているのだそうです。「夕なぎ」は、夕方、海からの風が陸の風に交替するときに、風がない状態(じょうたい)になることを指します。お墓がそれほど静かということでしょう。 

お墓の中には入ることができません。中を見ることもできません。ただし、「浦添(うらそえ)グスク・ようどれ館」(うらそえぐすく・ようどれかん)という建物に行けば、石でできた美しい棺(ひつぎ)の模型(もけい)を見ることができます。ここは「うらそえようどれ」の歴史を学ぶために造られています。古い写真や調査のときの写真も展示(てんじ)されています。とくに、本物のように再現(さいげん)された「うらそえようどれ」の西室(せいしつ、英祖王の墓)を見ると、自分がお墓の中にいる気持ちになるでしょう。石でできた棺や骨を見ていると、歴史の深さを感じます。 

 

死(し)はだれにとっても恐ろしく、考えたくない、いやなことです。しかし、うらそえようどれに行くと、人間にとって、死(し)がひとつの目的地であると感じることができます。だれもが死(し)にます。王様もふつうの人も死にます。だから、ここを訪れる(おとずれる)と、生きていることを大切だと思うことができるのでしょう。 
 
  Q:うらそえようどれについての感想を教えてください。皆さんは自分が住んでいるところのお墓にどんな印象を持っていますか? 

 

もし、行ってみたい方(かた)がいたら、モノレールを使うことをおすすめします。空港から「ゆいレール」と呼ばれる乗り物に乗り、「浦添前田駅」(うらそえまえだえき)で降りて、15分ほど、歩いていってみてください。王様のお墓参り(おはかまいり)をしたような気持ちになります。 

文・写真:三浦暁子(2021.3.20)